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「昭和の日」の29日、東京・明治神宮会館で「昭和の日をお祝いする集い」があり、主催者発表で約500人が訪れた。2005年の祝日法改正で制定される前、「昭和の日」の実現に取り組んだ人たちが中心。来年の明治維新150年を前に、「次は明治の日の実現を」との声が相次いだ。

11月3日は戦後に「文化の日」となるまで、明治天皇の誕生日を祝う「明治節」だった。「明治の日推進協議会」(塚本三郎会長=元民社党委員長)のメンバーらが08年ごろから、「明治の日」にすべきだと訴えてきた。

この日の式典であいさつした大原康男・国学院大名誉教授は「祝日には、占領政策の残滓(ざんし)が残る。根拠があいまいな文化の日でなく、本来の形を取り戻そう」と呼びかけた。

一方で、この動きを警戒する声もある。島薗進・元日本宗教学会会長は「戦後、祝日を通して国家神道復興を進める動きが反復されている。祝日の多くは皇室祭祀(さいし)の儀礼が行われる日。政治的に利用される『戦前回帰』の可能性もある。明治の日も、いつの間にか国家主義的な方向へと国民の意識を向かわせようとする動きに思えてならない」と話す。(編集委員・藤生明)

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