有識者からのメッセージ

落合清四 (富士社会教育センター理事長・元UIゼンセン同盟会長)

明治の時代は、日本人にとって決して忘却してはならない時代です。「五か条のご誓文」に基づき四民平等のもとアジアで最初に議会制民主主義体制が敷かれた驚くべき改革でした。と共に産業を興し、先進諸国に追いつけとのスローガンを掲げ、見事にそれを成し遂げたわけで、民族のエネルギーが最高潮に発揮された時代と言っても過言ではありません。「明治の日」は、この良き時代を思い出すため、沈滞する日本にとり必要な祝日です。

加藤康子(一般財団法人産業遺産国民会議専務理事/「明治日本の産業革命遺産」世界遺産協議会コーディネーター)

明治における産業日本の勃興は世界の歴史において特筆すべき出来事だった。幕末、周りの国が次々と植民地になる中で、国の安寧を願い、明治維新を成し遂げた侍たちは、工業を興す事を国家の大きな目標とし、積極的に技術を受容し、伝統文化の上に新しい国の形を作った。貿易が始まり、大型船が進水し、鉄道が建設され、憲法が制定されると日本は近代国家となった。明治の日は私たちの父祖が勇気を持って未来に立ち向かった志の原点である。

榊原英資(一般財団法人インド経済研究所理事長)

「祝日を外国なみに10日前後に減らすと同時に、名称をかつてのものに戻すべきではないだろうか。……「文化の日」等と訳の良く解らない名称ではなく、「明治節」に戻すべきなのだろう。明治天皇の誕生日なのだから明治節で当然だと思うのだが。……戦前を否定するあまり、日本の伝統・独自の文化を破壊してしまったことも、また、確かなのではないだろうか。……文化の日を明治節に戻していくことは、筆者には、重要な、日本の伝統、文化の回復の一歩のように思える。」〔『WEB論座』(2020年4月15日)〕

新保祐司(文芸批評家)

私は、「明治の日」の制定を心から願って来たが、今回の新型コロナウイルス禍という苦難の中で、さらに強く願うようになった。先行き不透明な世界の激動の中に生きる日本人にとって、「明治の日」があることの必要性はいや増したからである。それは、明治という偉大な時代を貫く「明治の精神」の高貴さと深さを回想する機会となる。明治の栄光は、将来の日本国民に誇りと自信、そして雄々しく前へ進む勇気を与えてくれるのだ。

松尾新吾(九州経済連合会名誉会長)

明治時代、欧米列強が東アジア諸国を次々と植民地化していく中、我が国は天皇を中心とする統一国家として類稀な近代化を果たし、国体を護持しました。そこには、『五箇条の御誓文』はもとより、岩倉使節団の活躍等、その後の我が国の趨勢を大きく左右する出来事がありました。こうした、明治という激動の時代を広く国民に再認識してもらい、改めて国家の成り立ちや将来について想いを致すためにも、是非、「明治の日」を実現すべきと念じています。

養老孟司(東京大学名誉教授)

「明治にはプラス、マイナスいろいろありましたが、徳川300年の後で大変だったなと想像がつくし、よくもやったな思いますね。……今は国全体がばらばらで、……明治にあったような国家としての全体像が描けなくなったのだと思います。……今は平和と民主主義がお題目のように言われますが、民主主義を構成するのは誰なのか。自分のおじいちゃん、おばあちゃんを含んでいるのか。それを深く考えたのが明治の人たちだと思います。あれだけ世の中を変えたわけだから。」〔『産経新聞』(令和3年3月19日)〕

©  明治の日推進協議会 All Rights Reserved.
PAGE TOP