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11月11日(水)18時から、参議院議員会館講堂において、明治の日推進協議会の主催により「〈「明治の日」を目指す院内集会〉」が開催され、150名あまりが結集した。

司会は戦後問題ジャーナリストの佐波優子女史。

初めに、去る5月に逝去した塚本三郎氏(元衆議院議員)に代わって推進協議会の会長に就任した田久保忠衛氏(杏林大学名誉教授)が主催者を代表して挨拶。先般のアメリカ大統領選挙において当選したと主張しているバイデンは、「弱い日本」を望むフランクリン・ルーズベルトの流れを汲んでいる。そうした情勢を踏まえると、今こそ、日本人としてのアイデンティティを取り戻す一環として、「明治の日」制定は急務である、と挨拶した。

その後、司会から現時点の署名総数が「103万1053筆」に達したことが報告され、それを受けて、《明治の日を実現する議員連盟》会長の古屋圭司氏(衆議院議員)が、「当たり前のことを当たり前にやる」という菅首相のモットーに倣い、議連としても「明治の日」を制定するという当たり前のことを実現していきたい、と決意を披歴した。また、同議連幹事長の稲田朋美女史(衆議院議員)から、超党派議連への移行を視野に入れて活動を進めていることが報告された。

さらに、議員連盟事務局長の山田宏氏(参議院議員)により出席国会議員が紹介され、各議員による決意表明がなされた。なお、出席した国会議員(代理も含む)は下記の通り。

【本人出席】(計24名)
*自由民主党
赤池誠章〔参〕/稲田朋美〔衆〕/上野宏史〔衆〕/衛藤晟一〔参〕/大串正樹〔衆〕/大西英男〔衆〕/小田原潔〔衆〕/加田祐之〔参〕/城内実〔衆〕/左藤章〔衆〕/柴山昌彦〔衆〕/杉田水脈〔衆〕/高市早苗〔衆〕/高鳥修一〔衆〕/田畑裕明〔衆〕/堂故茂〔参〕/長尾敬〔衆〕/古屋圭司〔衆〕/三ツ林裕巳〔衆〕/務台俊介〔衆〕/山田賢治〔衆〕/山田宏〔参〕/和田政宗〔参〕

*国民民主党
川合孝典〔参〕

【代理出席】(計9名)
*自民党
青山周平〔衆〕/江藤拓〔衆〕/小川克巳〔参〕/北村経夫〔参〕/根本幸典〔衆〕/星野剛士〔衆〕/宮下一郎〔衆〕/山口泰明〔衆〕

*日本維新の会
遠藤敬〔衆〕

続いて、去る3月に逝去された古賀俊昭氏(東京都議会議員)に代わって《地方議員連盟》の会長に就任した田沼隆志氏(千葉県議会議員)が、地方行政においては祝日の存在意義が意識されておらず、そうした状況を正すためにも「明治の日」を実現したいと決意表明。また、関西地区の取りまとめ役である杉本延博氏(奈良県御所市議会議員)が、あと一歩まで来たのだから何としても「明治の日」制定を実現しよう、と聴衆を鼓舞する。

当日、出席した地方議員は以下の通り。

浅井明〔埼玉県議会議員)/ 伊勢田幸正〔埼玉県富士見市議会議員〕/折本龍則〔千葉県浦安市議会議員〕/杉本延博〔奈良県御所市議会議員〕/高澤一基〔東京都板橋区議会議員〕/田沼隆志〔千葉県議会議員〕/中村実〔千葉県議会議員〕

引き続いて、「明治への思い」と題する推進協議会役員からのスピーチが行われた。

ジャーナリストの櫻井よしこ氏(参与)は中国の膨張主義に対する日本の危機感の薄さに危惧を示し、そうした状況から脱する「ささやかだが大事な一歩」として「明治の日」制定を実現すべきと国会議員を叱咤激励する。また、元衆議院議員の西村眞悟氏(参与)は、「明治の日」制定は民族の記憶を取り戻す運動の一環であるが、それは最終的に日本国憲法の問題に帰結するとして持論を展開し、国士館大学特任教授の百地章氏(代表委員)は、福田恆存の「文化とは何か」を引いて「無国籍で占領臭漂う、文化の日」と訣別すべきと述べた上で、明治天皇が世界史に与えた影響について語った。最後に、評論家の江崎道朗氏(運営委員)は、明治天皇の「よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ」という御製を引き、不安定さを増す昨今の国際情勢にあって、こうした明治天皇の大御心を受け止めるためにも「明治の日」お制定すべきと説く。

最後に、荒木紫帆女史(運営委員)が決議文案を朗読し、満場の拍手によよって採択。直ちに、田久保氏および高池勝彦氏(運営委員長)から議連役員(古屋氏・稲田女史・山田氏)に手交された。

今を遡ること百五十有余年前、徳川幕府に代わって、明治天皇を中心とする新政府が樹立された。その根本精神は、五箇条の御誓文に示されている。

 一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ
 一 上下心を一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フベシ
 一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦ザラシメン事ヲ要ス
 一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クベシ
 一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スベシ

以後、明治の先人たちは主張の相違を超えて天皇の下に団結し、内にあっては秩序ある自由を、外に向かっては北東アジアの平和を追求した。その過程には光もあれば影もあるが、総体として言えば、欧米列強の圧力を跳ねのけて国家の独立を保持し、文化面においても様々な成果を生み出した、四十五年にわたる明治の御代は誇るべき時代である。

こうした明治の御代を振り返ることは、国民として今後なすべきことを考える上で極めて重要だ。とりわけ、コロナ禍が世界を覆い、我が国も大きな困難に直面している今日、先人の苦闘を振り返る契機として、明治天皇の御生誕日である十一月三日を「明治の日」と定めることは実に意義深いと言わねばならぬ。

現行の祝日法において、この日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣意とする「文化の日」とされるが、それは日本国憲法に記された抽象的理念とのみ結び付けられるべきものではなく、先に述べた明治日本の具体的な歩みを踏まえたものとなってこそ、本当に意義あるものとなるに違いない。その意味において、「明治の日」の制定は「文化の日」の趣意を深めるものと言わねばならない。

明後年・令和四年は、明治天皇が崩御されてから百十年目にあたる。この節目の年までに「明治の日」制定を何としても実現すべく、《明治の日を実現するための議員連盟》を始めとする国会議員各位におかれては、我ら国民有志の思いを真正面から受け止め、速やかに祝日法改正法案を国会に上程し、明年中に可決・成立させるよう、出席者一同、ここに強く求めるものである。

  令和二年十一月十一日

「明治の日」を目指す院内集会 参加者一同

 明治維新から百四十年目にあたる平成二十年から十有余年、「明治の日」制定を目指す国民運動は、超党派議連の結成というところまで辿り着いた。だが、ここからが正念場である。弊協議会としても全力を尽くしたい。