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6月3日午後、参議院議員会館にて、「明治の日制定を求める緊急集会」が開催され、衆参両院の国会議員を含めて約百名が参加し、インターネットによるライブ中継も行われた。

佐波優子氏(戦後問題ジャーナリスト)の司会により開会。

主催者の《明治の日推進協議会》を代表して挨拶に立った田久保忠衛氏(杏林大学名誉教授)は、自民党のみならず立場の異なる方々からも御賛同を得て超党派の活動に移行したことに謝意を表した上で、ドナルド・キーンの『明治天皇』に触れ、「西郷や大久保のような多くの英雄が居ても明治天皇の御存在なくして明治維新はなかった」と述べた。

次に登壇した来賓の新保祐司氏(文芸批評家)は、毒にも薬にもならぬ「文化主義」の蔓延に繋がりかねない「文化の日」に代わって「明治の日」を制定することは我が国が精神的に独立した国家となるためには必要不可欠だと強調する。

《明治の日推進協議会》からの経過報告に引き続き、「明治の日は、なぜ必要か」と題して高澤一基氏(板橋区議会議員)と金子宗德氏(里見日本文化学研究所所長)が意見表明。戦前の「明治節」が国民の発意に基づくものであることを指摘した高澤氏は、「元日・建国記念の日・天皇誕生日・昭和の日」と並ぶ五つの重要な祝日としての「明治の日」を実現しようという国民の発意を受け止めて欲しいと訴える。また、明治人であった自身の曾祖父について語った金子氏は、紙幣の肖像に用いられている人物が全て明治人であることに触れ、こうした先人に倣い、未来を切り開く誓いを新たにする日としての「明治の日」を実現したいと主張した。

次いで、要請書が《明治の日推進協議会》運営委員の荒木紫帆氏によって朗読され、田久保氏から要請書が各政党の代表(自由民主党・古屋圭司衆議院議員/立憲民主党・重徳和彦衆議院議員/日本維新の会・柳ヶ瀬裕文参議院議員/国民民主党・川合孝典参議院議員)に手交される。

今日、コロナ禍が世界を覆い、我が国も大きな困難に直面しています。今こそ、我らは原点に立ち返り、進むべき途を定めねばなりません。そうした原点の一つが、近代国家を形成した明治時代であることは言うまでもないでしょう。

そのような思いから、明治天皇の御生誕日である十一月三日を現行の「文化の日」から「明治の日」に改称すべく、私たちは明治維新百四十年に当たる平成二十年に活動を始め、平成二十三年に《明治の日推進協議会》を結成しました。

それから幾星霜、明治百五十年に当たる平成三十年には自由民主党の有志議員を中心として《明治の日を実現するための議員連盟》が結成され、祝日法改正案が策定されるに至りました。同議連の活動に対し、この場を借りて深甚なる謝意を表します。

そして本日、「明治の日」制定の必要性を認める有志議員が所属党派の垣根を超えて結集しました。国民の祝日に関わる問題である以上、超党派の動きが広まることは必要不可欠であり、出席された各党国会議員に対して敬意を懐くものです。

と共に、本集会に出席できなかった者も含めた国民の思いを達成すべく、各党派所属の国会議員各位に以下の通り要請します。

一、「明治の日」を実現すべく、超党派の国会議員連盟を速やかに設立すること。

一、明治天皇が崩御されてから百十年目にあたる明年・令和四年までに「明治の日」制定を実現すべく、祝日法改正法案を国会に上程して可決・成立させること。

これを受け、「一部のメディアは『国家神道の復活』であると主張するが、改正案には『文化の日』に込められた趣旨も踏まえつつ『未来を切り開く』という思いが込められており、これに異論を示す政党はないだろう。実現に向けて超党派で頑張って参りたい」(古屋議員)、「明治の日を実現するには国民的な理解が必要で、明治という時代を如何に捉えるかという問題もある。広く国民に理解される運動にしていくために力を尽くすのが自分の役目だらう」(重徳議員)、「今の日本がここまで成長してきたのは明治維新があったからで、だから『維新』という言葉を党の名称に入れた。党を挙げて実現に向けて尽力したい」(柳ヶ瀬議員)、「『温故知新』という言葉があるけれども、過去の歴史を正確に把握することが日本の将来を語る上では必須である。この取り組みを通じて若者が自国の歴史を学ぶ機会にしたい」と、各政党の代表が決意表明を行う。

続いて参加した国会議員の紹介からも挨拶があった。なお、参加した国会議員は以下の通り。

【自由民主党】

〔衆議院〕
稲田朋美・上野宏史・小田原潔・左藤章・杉田水脈・高市早苗・高木啓・田畑裕明・長尾敬・古屋圭司・務台俊介・山田賢治以上、本人)
城内実・佐藤ゆかり、柴山昌彦、高鳥修一、三ツ林博巳、宮下一郎(以上、代理)

〔参議院〕
青山繁晴、赤池誠章、衛藤晟一、山谷えり子、山田宏、和田政宗(以上、本人)
宇都隆史、北村経夫(以上、代理)

【立憲民主党】

〔衆議院〕
大西健介、重徳和彦、松原仁(以上、本人)
落合貴之、渡辺周(以上、代理)

 【日本維新の会】

〔衆議院〕
森夏枝(本人)、美延映夫(代理)

〔参議院〕
石井章、石井苗子、梅村みずほ、音喜多駿、片山大介、清水貴之、鈴木宗男、松沢成文、柳ヶ瀬裕文(本人)、東徹、室井邦彦(代理)

参加した地方議員(田沼隆志・千葉県議会議員/折本龍則・浦安市議会議員/伊勢田幸正・ふじみ市議会議員)からの決意表明の後、《明治の日推進協議会》運営委員長の高池勝彦氏(弁護士)が主催者を代表して閉会の挨拶に立ち、「他国の祝日は国の歴史に関わるものが殆どだが、日本では建国記念の日と昭和の日しかない。歴史を顧みるためにも『明治の日』を実現しなければならない」と聴衆を鼓舞した。

当日の中継録画は、以下より御覧頂けます。

明治の日制定を求める緊急集会@参議院議員会館